大寒の一月二十日から節分の二月三日まで、管内有志の僧侶出仕のもと、寒修行がおこなわれ、十八名の教師が参加した。
日本仏教における年中行事には、一年間で最も冷え込む寒中に、寒苦を忍び修行する「寒修行」という伝統がある。日蓮宗では団扇太鼓を打ち鳴らしながらの唱題行脚が一般的におこなわれているが、北部の寒修行は、谷中を中心として管内の寺院を唱題行脚して巡っている。
路上に於いて地域の皆さまの安穏を祈り、各寺院では御祈念と先師回向を行う。谷中の寒修行は四十年以上の歴史があり、この間谷中の町並みも変わってきたが、毎年自宅の門前で合掌して寒修行僧の隊列を待つ人々や寺院関係者が多く、その様な温かい心に支えられ寒修行という伝統が受け継がれており、本年も無事十五日間の寒修行が完遂された。